令和6年分確定申告状況等について

先般、国税庁より「令和6年分所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」が公表されました。申告と同時期に提出した還付申告書類に基づく入金も概ね済み、確定申告は一段落したところでしょうか。

公表資料にはグラフによる説明も含まれており、動きが大きな点に着目すると、先ずは所得税の申告状況について、令和5年と比べて「申告納税額がない方」が大幅に増え、その分「申告納税額がある方」が減っています。こちらは定額減税の影響と思われますが、グラフに併記されている人数も確認すると、僅かですが所得税の申告人数が減っていて(25年振りの減少とのこと)、「申告納税額がある方」の中で「事業所得者」も減っている点が気になりました。

又、消費税はインボイス制度の導入2年目でしたが、棒グラフで示された申告件数が、8割増しに増加した初年度と比べれば格段に少ないですが、それでも例年よりは多くて1割弱増加していました。一方、納税額が示されている折れ線グラフの方の傾きは棒グラフほど極端ではありませんが、併記されている金額を確認すると、インボイス制度が始まって初めて一年間通じて適用された2年目は、導入1年目以上に納税額が増加していました。

その他、贈与税では、課税方法別の申告状況が、税制改正の影響で相続時精算課税の利用者が増え、暦年課税の利用者は減っていますが、精算課税の利用者数には暦年課税との併用者が含まれているそうです。グラフからは大勢が把握できますが、ご自身が関係しそうな税目については、数値の詳細まで確認して動きを捉えてみてはいかがでしょうか。